シニア人材は「野村再生工場」方式で再活躍できる 野村克也氏の選手指導法をビジネスにも応用

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本来、企業における配置転換は「適材適所」、すなわちそれぞれの人材の能力を見極めて、最も力を発揮できる仕事を割り振るべきものです。しかし、中小企業の場合、人員数や職務内容に制約があるため、そうも言っていられません。

実際、「向き不向きは別にして、ミドルのあの人にやってもらわないとしようがない」、あるいは「くすぶってしまっているシニアのあの人に、やってもらうしかない」という理由で配置転換をしていることも多いのではないでしょうか。

だからこそ、中小企業ではその状況を逆手にとって、ミドル・シニア人材を配置転換により再生して、再活躍してもらうことが重要なのです。「仕方がないから」ではなく、その部署で再び活躍してもらうために配置転換をする。その点で、野村再生工場が参考になると筆者は考えます。

野村再生工場のポイント3点

野村再生工場のポイントを筆者なりにまとめると、「観察」「対話」「教育」という3点に集約されると考えます。

これを、配置転換する人材の見極め、本人への伝達、そして配置転換教育という流れと関連付けて、本稿では解説を進めていきます(図表1)。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

野村克也再生工場
(図表:本書より引用)

とはいえ、もちろんプロ野球での手法が、そのまま中小企業の現場で使えるわけではありません。

たとえば、危機感です。プロ野球で戦力外通告を受けた選手は、いわば「クビ」を言い渡されたようなものです。後がない状況ですから、本人も必死になって生き残りを模索しています。

一方のビジネスにおいては、ぬるま湯に浸かり切り、企業に貢献していないにもかかわらず給料をもらえている人材もいるようです。そのため、そうした人材にも、適切な危機感を持たせるような工夫が必要です。

野村克也氏は、著書のなかで「人材再生のための第一歩は観察である」と説いています。

いわく、「先入観や固定観念を排して徹底的に選手を観察する」とのこと。企業における配置転換も、まったく同じであると筆者は考えます。

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