思い込みを手放しても、弊害などありません。
あなたも、周りの人も、不利益をこうむることはありません。
ですから視点をズラし、勇気を出して、思い込みを手放してください。
難しいと感じる場合、「思い込みかもしれない」と自分自身を疑うところから始めてみるのがおすすめです。
方法③ 現在に意識を集中する
不安にかられている状態とは、「いま、ここ」がおろそかになっている状態です。
意識的に、現在の瞬間にフォーカスをしましょう。
貴重な自分の人生を、取り戻しましょう。
実はこの教えは、太古の昔から説かれ続けている教えです。
古代ギリシャの「ストア派」をご存じでしょうか。
この哲学の流派は、エピクテトスやセネカ、マルクス・アウレリウスといった著名な思想家たちを輩出しました。
彼らの思想、「ストア哲学」や「ストア主義」とも呼ばれる考え方は、心の平和とバランスを追求することを重視していました。
ストア派の思想は、実は、現代の自己啓発の源流の一つともいえるものです。
それは、「制御できるもの」と「制御できないもの」を明確に区別するという考え方を強調していました。
彼らは、外部環境や出来事は制御することはできないと考えましたが、他方で、自分自身の判断や反応、つまり、それらの出来事に対する態度は制御できると考えたのです。
この視点は現代でも心の整え方における重要なテーマです。
つまり、自分自身の意識と注意に焦点を当てることで、出来事や他者の行動から自分を解放しようという考え方は、ストア派の哲学者たちが何千年も前に理解していたものなのです。
ストア派に由来する考え方は、過去を悔やんだり未来を心配したりする代わりに、現在に集中し、自分が直面している状況「いま、ここ」に最善を尽くすことを強調します。
しかし、それは過去や未来を完全に無視するというよりも、それらに対する私たちの反応をコントロールするという視点から来ています。
したがって、現在の瞬間に集中することは、自分自身の反応を制御し、自分の感情を平穏に保つための一つのコツといえます。