スーパーホテル、あまりに非常識だった「3大改革」 デジタル化で時間捻出し、プラスαのサービスを

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ホテルとベンチャー支配人、ウィンウィンの関係性

過去の受賞例には、「朝食を何時に食べますか」を確認するボードにマグネットを付けてもらうことで、朝食の混雑時間を予想できるサービスや、「明日食べたい焼き立てパンはどれですか」という質問の答えをゲストにピンで刺して選んでもらい、人気の5、6種を朝食ブッフェで提供するサービスもあった。どちらもアナログだが、顧客満足度に貢献している。しかもパンについては、余らずフードロスの削減にもつながる。

しかもこの朝食ボードは、利用したゲストがX(旧Twitter)で、「こういうのでいいんだよ、こういうので」と呟いたことで大バズリ。そこに「これ知ってる! スーパーホテルだよ」とコメントがついたことで、知名度が一気に高まったそうだ。

Xで大きな話題となった、朝食混雑予測ボード(写真:Xより。投稿者の許可を得て掲載しています)

この、「こういうのでいいんだよ、こういうので」は、スーパーホテルを象徴する言葉ではないだろうか。何も全てをデジタル化する必要はないのだ。アナログのおもてなし時間を捻出するために、デジタル化を推進しているのだから。

現在平均稼働率は9割を維持し、その1割をインバウンドが占めるスーパーホテル。すでにミャンマーにホテルを持つが、今後はさらなるグローバル展開を控え、外国人をベンチャー支配人として育成する取り組みもスタートしている。海外に開業しても、「ターゲットは日本人」というが、「アウトバウンドの広告塔にしたい」という狙いもあるという。

しかも、基本的にスタッフは現地採用の予定。彼らとの化学反応で、また新たなノウハウが溜まっていくはずだ。スーパーホテルは今後も、しなやかに進化を続けていくに違いない。

ミャンマー・ティラワのスーパーホテル(写真:スーパーホテル提供)
笹間 聖子 フリーライター・編集者

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ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルはホテルビジネス、幼児教育、企業ストーリー。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界専門誌で16年間執筆を続けており、ホテルと経営者の取材経験多数。「週刊ホテルレストラン」「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」「FQ Kids」などで執筆。企業のnote発信サポーター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

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