ノーテレフォン、ノーキー、ノーチェックアウト
スーパーホテルがシングルマンションからホテル経営に乗り出したのは1996年。当時、マンション事業ですでに、空き室管理のIT化に莫大な投資をしていた。そして、その視点でホテルを見たとき、「これを人間がやる必要があるのか」と、疑問に思う部分が数多くあったという。その改革のためにIT化に注力したことが、業界では「非常識」と言われる、突出した個性のはじまりだ。
最たるものは、創業から客室に電話を置かなかったこと。今でこそ誰もが持っているが、当時は携帯電話が広く普及していなかったポケベル時代だ。いったいなぜそうなったのだろうか。
「いずれ携帯電話が普及する時代が来れば、客室の電話は使用しなくなるという判断です。また、電話を置けば、外線電話の精算が発生する可能性もあります。
弊社は創業からノーキー、ノーチェックアウトを目指していたので、精算につながる可能性は極力避けました。なぜなら、ゲストのチェックアウトは朝9時前後に集中します。すると、お客様は並ばなければいけなくなる。1分でも早く出発したいのに、並んでイライラ待つ姿は、ホテル業界以外にいる我々からすると疑問でした。それなら、チェックアウト自体をなくしてしまおうと」(星山氏)
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