絶不調だった「バーガーキング」が急回復した理由 2019年に大量閉店も、コロナ禍を追い風にした

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そこで当稿ではバーガーキングは実際に好調なのか。そして好調である施策の良さを述べる。そして、それはコロナ禍という社会的事象を利用した上手さがある。

もっとも施策だけで企業の巧拙を語るのは片手落ちだ。味の良さもあげなければいけない。たとえば私の家族はバーガーキングを好きな比率が高いが、セットの価格は安いものから高いものまであり、高価なセットはファストフードにしては美味でほかとは違う、という感想を抱いている。そこで同社の名誉のために、味の良さを前提としたうえでという意味で、お読みいただきたい。

(撮影:坂口孝則)

バーガーキングの業績

ところでバーガーキングは日本では非上場企業であり、財務状況は同社のホームページ等で公告されていない。官報などで確認する必要がある。それで情報が歯抜けになるものの、近年の業績を見てみよう。

なお本来は売上高や経常利益を示したいところ、非上場企業は貸借対照表の要旨を公開することになっているため、当期純利益と利益剰余金(これまでの該当企業が稼いだ利益の蓄積分)であることはご容赦願いたい。

・令和4年末時点(2022年末時点):当期純利益+1億6531万1000円、利益剰余金1億8283万3000円
・令和2年末時点(2020年末時点):当期純利益▲5億2684万円、利益剰余金8億4813万8000円
・令和元年末時点(2019年末時点):当期純利益▲14億6492万9000円、利益剰余金13億7497万9000円
・平成30年末時点(2018年末時点):当期純利益▲10億9115万円、利益剰余金▲45億7009万1000円
*なお、令和5年は株式会社ビーケージャパンホールディングスのデータであり、令和3年以前は株式会社バーガーキング・ジャパンのデータとなっている

こう見ると、毎年かなり当期純利益がマイナスだったところ(純損失と呼ぶほうが正しい)、それがコロナ禍で好転し、ついに純利益が出るようになっている。

なお、貸借対照表の要旨だけなので売上高の全容はわからないものの、一部の公開された情報を紡いでいくと、平成30年(2018年)に売上高87億円だったところ、現状では200億円を超えるようだ(バーガーキングが3年で店舗倍増、売り上げ200億円超え。好調の背景にコロナ禍と値上げの波/Business Insider Japan)。

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