「時代の寵児」オーサムストアはどこで失敗したか 雑貨界で果敢な挑戦も、コロナ禍に売上が低下した

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オーサムストア
オーサムストアの全店舗の閉店が決定。ある意味、2回目の敗北宣言となった(画像:(株)リテールトランスフォーメーションHPより)
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時代の寵児は、時代に翻弄され潰えたというわけか。

AWESOME STORE(以下、オーサムストア)を展開していた株式会社リテールトランスフォーメーションは、今月16日に東京地裁へ民事再生法適用を申請していた。そして、オーサムストアは来月2月までに全店舗の閉店が決まった。2回目の敗北であった。

オーサムストア展開会社が民事再生法適用を申請

というのは、もともと2023年5月に、同オーサムストアを展開していたオーサム株式会社が自己破産を申請していたからだ。

今回、民事再生法を申請していた株式会社リテールトランスフォーメーションは、そのオーサム株式会社から事業を引き継ぐ形で展開していた。さらに、もともと事業を引き継ぐ際には、債務を引き受けない形となっていたにもかかわらず、である。事業の継承をしてすぐに、かなり厳しい事業運営で辛酸を嘗めたかっこうだ。

絶頂はコロナ禍前の2019年で、約55億円の売上高があった。それが2020年のコロナ禍以降は約46億円と低迷していた。そこで元の運営会社での再建はできず、さらに、次の事業者によっても昇華はできなかった。

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