TSMCの製品分野別の売上比率を見ると、2023年はサーバー向けなどの高性能コンピューティング(HPC)が総売上高の43%、スマートフォンが同38%を占め、両者で全体の8割を超えた。その他の分野の売上比率は(あらゆるモノをネットにつなぐ)IoTが8%、車載用が6%、家電向けが2%だった。
注目すべきなのは、HPC分野のなかでAI(人工知能)半導体の売り上げが急拡大していることだ。総売上高に占める比率はまだ小さいものの、前年比5割増のペースで伸びているという。
(訳注:AI半導体世界最大手のエヌビディアは、最新鋭チップの製造をTSMCに頼っている)
2025年から2nmプロセス量産
製造技術の面では、TSMCは2023年を通じて(世界最先端の)3nmプロセスの生産能力を大幅に高めた。決算報告書によれば、3nmプロセスの売上比率は2023年7~9月期の6%から10~12月期は15%に上昇。同社はさらに高度な2nmプロセスについても、2025年から量産を始める計画だ。
2024年の経営環境に関して、魏氏は「世界景気全体および(戦争などの)地政学上の不確実性は緩和されない」と予想。一方、自社の業績については「すでに底を打ち、成長軌道に戻りつつある」と自信を示した。
魏氏は半導体業界全体の景気が2024年は上向くと見ており、半導体メモリーを除いた市場規模は前年比10%超、ファウンドリーは同20%の拡大が期待できるとした。
そのうえで同氏は、「TSMCは業界平均を凌駕するパフォーマンスを発揮し、ドルベースの売上高で(前年比)21~26%の成長率を達成したい」と述べた。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は1月18日
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