実写化「ゴールデンカムイ」驚嘆の感想で溢れる訳 原作漫画ファンも初見の人も圧倒されたこれだけの理由
映画『ゴールデンカムイ』が公開され、公開3日間で観客動員数35万人、興行収入5億円を突破するなど、順調な滑り出しだ。
原作マンガは31巻ですでに完結しているが、評価も高い。今回は原作マンガを中心に、そのストーリーの魅力について迫りたい。
※映画で描かれた原作3巻までの内容に触れ、若干のネタバレがあります。ご注意ください。
日露戦争帰りの主人公と、アイヌの少女の遭遇
『ゴールデンカムイ』は、野田サトルによって「週刊ヤングジャンプ」で連載されていた作品である。明治時代の後期、北海道を舞台に、日露戦争から帰還した杉元佐一と、アイヌの少女アシリパが、隠されたアイヌの埋蔵金を追うという物語だ。(※アシリパの「リ」は本来、日本語表現にない小文字のリ)
もともと、野田サトルの曽祖父が日露戦争に出兵した屯田兵であったことが作品の原点となっている。当初は日露戦争帰りの若者を主人公にした「狩猟マンガ」として構想されたが、取材する中で「熊害」「土方歳三」「脱獄王」「埋蔵金伝説」「アイヌ」といった題材が組み込まれていったそうだ。
私は、この作品は「巨額の埋蔵金を探すアクションアドベンチャー」というエンタメ要素の裏に潜む「アイヌ文化をベースにした”生と死”というテーマ性」が何よりの魅力だと思っている。以下にそれを解説していきたい。
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