実写化「ゴールデンカムイ」驚嘆の感想で溢れる訳 原作漫画ファンも初見の人も圧倒されたこれだけの理由
映画においても、ユーモラスなシーンとして描かれていたが、私にはとても重要なシーンに思えた。
見た目における思い込みや差別を身をもって越えていく、というと大袈裟に聞こえるかもしれないが、ある意味ではうんこは「生と死」を併せ持つ象徴のようなものと言えるだろう。
その他、映画ではよりリアルであったが、凍てつく北海道の寒さや、火のありがたさ、容赦ない風、雪を踏みしめる音など、これほどまでに五感すべてを刺激してくる作品も珍しいのではないか。
伝わってくる、原作漫画への強いリスペクト
当然ながら、原作マンガは映像化されるために作られているわけではない。そのまま映像化していけば、都合よく映画の長さになることなどありえない。そうすると、良いシーンだけピックアップして、贅沢に作りたいと思うのが作り手の感情とも言える。
しかし、今回の映画では原作リスペクトの姿勢が鮮明であった。まるで熊の調理に無駄がないように、勝手飛ばして先に行くのではなく、原作3巻までを隅々まで使用していた。
おそらく、3巻までを原作にした今回の映画のストーリーではクライマックスに苦労したのではないか。ある意味では「主人公が救われる」クライマックスは、観客に物足りなさを感じさせかねない展開だったが、アクションシーンとしてうまく昇華していたと思う。
また、主人公の秘めた思いをクライマックスに持っていき、杉元とアシリパの「握手」を原作以上にフィーチャーして見事に納めていた。
その他、印象的な「熊の穴からの1カット長回し」であったり、熊や狼など動物のCGなどは、かなりレベルが高いと感じたし、衣装はもちろん、雪の撮影の中で現場スタッフの苦労も通常の作品では想像もできない次元だろう。
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