「思ってた内容と違う…!」「グロいのに号泣した」賛否が噴出している“異色のハリウッド映画”『サブスタンス』の何が凄いのか

「劣化」。それはなんて残酷なワードであろうか。
ものすごく失礼な言葉にもかかわらず、SNSなどであまりにカジュアルに使われているものだから、何かにつけ「劣化したなぁ」と自他共に対して、ついそのワードを頭に浮かべてしまいがち。
映画『サブスタンス』(The Substance)は、この劣化の恐怖に襲われた中年女優(あえて女優と書く)の凄まじいまでの執念の物語である。
社会派作品かと思いきや…
かつて、人気をほしいままにしていたスター「エリザベス・スパークル(デミ・ムーア)」だったが、50歳を機にプロデューサー「ハーヴェイ(デニス・クエイド)」から戦力外通告を受ける。よくいえば「卒業」。長く続いたレギュラー番組を降板させられることになったのだ。
その理由はビジュアルの「劣化」。プロデューサーははっきりとは言わないものの、そろそろ若い俳優とチェンジする時期だと言うのだから意図は明白だ。
絶望したエリザベスに、再びチャンスが訪れる。「サブスタンス」と呼ばれる再生医療によって、若さと美を取り戻すことが可能になったのだ。
細胞を若返らせる「サブスタンス」はエリザベスの肉体から若い「スー(マーガレット・クアリー)」を生み出す。エリザベスが若返るのではなく、もう1人若いスーが存在することになり、2人は7日ごとに入れ替わらないといけない。
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