被災地に新エネルギー特区を、地域主導型電力網のモデルに

被災地に新エネルギー特区を、地域主導型電力網のモデルに

「被災農地にメガソーラー(大規模太陽光発電所)と太陽光パネル工場を」と提案するのは大和総研常務執行役員の岡野進氏。東京電力福島第一原子力発電所の事故により、同原発制限区域内では、飛散した放射性粒子の影響で農業の継続は極めて困難な状況にある。土壌浄化作業の長期化とともに、就農者の高齢化も深刻な問題だ。

復興特区で雇用創出を

岡野氏の試算によれば、同制限区域内の耕作面積は171平方キロメートル。ここに原発事故の収束状況を見ながら10年かけてメガソーラーを建設していく。10年間での総投資額は2兆1000億円(太陽光パネル購入1兆2000億円、パネル敷設9000億円)、建設に関し延べ3万6000人の雇用が創出できるとする。

さらに、このメガソーラー建設に必要な太陽光パネル工場を誘致する(年間340万枚生産、初期投資850億円)。これにより、工場建設に1000人、操業に700人の雇用が見込まれる。

用地は補償機関が買い上げるほか、父祖伝来の土地を手放すことに抵抗感の強い人には借り上げなどの対応を行う。発電コストは当初は割高となるため、国による財政的支援が前提となる。そのため、復興事業として税制優遇や規制緩和を機能的に設けることができる「復興特区」と位置づけることが望ましい。

東北は日照時間等から太陽光発電には不向きとの見方がある。しかし、福島県いわき市(小名浜)の日照時間が全国81カ所中12番目に長いなど、福島県海岸部には適地が多い。

地域住民のコンセンサスが必要なことは言うまでもないが、「地元の電力需要に応えるのみならず、競争力ある産業として、輸出を含む域外への供給を担っていくものに発展させることが可能」と岡野氏は語る。

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