被災地に新エネルギー特区を、地域主導型電力網のモデルに

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 福島第一原発で発電された電力は、東北ではなく、首都圏など東京電力管内で使われていた。にもかかわらず、原発事故により福島の人々の生活が、人生が大きく狂った。しかし、それに対してわれわれ大都市部の需要家の意識はいまだ低い。電源立地対策交付金制度などを根拠に、負担の低減が図られていたという言い訳はもはや通用しない。

地域ごとの分散型エネルギーシステムにより、皆が負担感を共有できるような体制を構築し、過不足が生じた場合には地域間で融通し合う対等で緩やかな関係が望ましい。

仮に、福島にメガソーラーや大規模風力発電所ができようが、これがこれまでの原発に代わって首都圏への電力供給源になると考えてはいけない。分散化、自然エネルギーシフトで意識改革や覚悟が最も求められるのは、実はわれわれ首都圏など大都市部の需要家・消費者なのだ。

(シニアライター:野津 滋 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年7月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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