被災地に新エネルギー特区を、地域主導型電力網のモデルに

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 政府の東日本大震災復興構想会議は地域経済の再生など五つの論点に基づいて復興策作りを進めている。太陽光、風力、地熱など新エネルギーを活用した地域づくりや産業振興策が打ち出される見込みだ。また、新成長戦略実現会議ではこのほど「エネルギー・環境会議」を新設、新エネルギー活用の具体策など年内に基本方針をまとめる予定である。

このように、震災復興策の立案で新エネルギー政策が極めて重要なテーマになる可能性が高い。原発に対する見直し機運だけでなく、省エネや環境への意識の高まりの中、これを新たな国づくりや産業振興の柱にすることは国民の賛同を得やすい。

実は、東北は自然エネルギーの先進地域である。大規模水力を除く自然エネルギーの全電力に対する導入率では、全国平均が3・4%なのに対し、東北全県平均では6%と倍近い。特に、秋田県と青森県は10%を超えている。そして、その主翼を担っているのが風力発電だ。

環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は、東北復興を世界にアピールするためにも「東北で2020年までに自然エネルギーの域内導入目標を100%」とするプランを示している。東北での自然エネルギー導入への投資額は20年までに約14兆円。新エネルギーの全量全種固定価格買い取り制度を軸に、東北復興のための上乗せ価格設定などを提案している。20年での全電源での構成は風力50%、小水力25%、太陽光14%、地熱9%などとなっている。

非現実的と言うなかれ。環境省の試算では、東北の風力発電での導入ポテンシャルは7200万キロワット(稼働率を24%と設定)、これは東北電力の発電能力1600万キロワットを十分賄える計算だ。風力発電は騒音や景観への影響など制約があるものの、このような巨大な潜在力を生かすことにより、メガソーラー同様、被災地の復興へ向けた有望な産業振興、雇用創出策になろう。東北は「風」と「太陽」の恵みにより電力の地産地消に最も適した地域なのである。

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