日本人の「内向き思考」を批判する人への違和感 「限られた情報」で世界を語ってしまう危うさ

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多くの外国人観光客が来日する中、彼らが見て感じる日本とはどんな姿なのだろうか(撮影:今井康一)

「最近の日本人は内向きな人が多いですね」

何度聞いたかわからないこの言葉を聞くたびに、私は違和感を持ちます。そして次のような疑問も感じます。

「はたして日本人だけが内向きなのか?」

「日本以外の他国の人たちは内向きではないのか?」

「日本人の内向き思考は最近のことなのか?」

「そもそも、内向きなのは悪いことなのか?」

考えてみてください。「日本人は……」と批判する人の中で、どれだけが他国の人々のことをよく知っているのでしょうか。世界には約200カ国もあるのに、何となくイメージで言っていませんか? 留学経験者や駐在経験者など、ある特定の国に詳しい人だって、決してその国のことを知っているとは限りません。

嘘をついてはいないけど・・・

たとえば、私がインドで事業を行っていたときに現地パートナーだったインド人は「インド人の70〜80%は英語を話せる」と言っていましたが、統計上はインド人の英語話者は約10%でしかありません。でもインド人から、インドのことをまことしやかに説明されたらそうだと信じてしまいますよね。

別にその人が、嘘をついていたわけでもありません。周りではおそらく70〜80%が英語を話せるのでしょう。あくまでその人の経験上では事実なのです。

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