日本人の「内向き思考」を批判する人への違和感 「限られた情報」で世界を語ってしまう危うさ

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実際、どの国に行くにしても、いろんな方から「その国の治安は大丈夫ですか?」と聞かれることが多いのです。どこに行っても気をつけることはありますが、まったく治安が悪くない国・地域に行くときも聞かれるのは、それだけ日本の治安がよいからでしょう。

最近の円安傾向も、渡航を躊躇させる理由の1つになるし、この3〜4年間はコロナ禍も影響を与えていました。つまり、日本を出ない理由のほうが多いのです。そして、それだけ日本の居心地がよいのです。決して悪いことではありません。それだけ日本は素晴らしい国なのですから。

居心地がよすぎるとどうなる?

私が内向き思考と聞いて抱く違和感は、ネガティブに捉えられることが多いからです。むしろ、よい国に住んでいる結果という側面もあるから、ポジティブな事実に基づいていると考えています。

もちろん弊害はあるでしょう。居心地がよすぎることで外の世界に興味がなくなり、「世界に出て何かしてやろう!」という気概がなくなれば、言語やグローバルマインドセットなどの力が付きません。

居心地のよい日本にとどまっていては、おそらく世界から置いてきぼりを喰らいます。それはじわりとボディブローのように効いてきます。実際にそれは将来の話ではなく、すでにそんな状況は起こっています。

だから批判する気持ちも理解できないことはないのですが「内向き!内向き!」と嘆く人が何か嫌なのです。だって、そうなるのは理由があるのですから。嘆いたり批判する人たちに提案したいことは、多くの日本人が「外向きになりたい!」と思わせる環境や状況を作りましょうということです。

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