中国の国策送電会社「送電網強化」に10兆円超投資 僻地の大規模風力・太陽光発電所の急増に対応

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国家電網が大規模投資を続ける背景には、「二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにカーボンニュートラル実現を目指す」という(習近平国家主席が2020年9月に打ち出した)国家目標がある。

その達成に向けて、中国各地で太陽光発電所と風力発電所の建設プロジェクトが急増。2023年末時点の発電設備容量は、太陽光と風力の合計で早くも1000GW(ギガワット)を突破した。

中国では電力消費地から遠く離れた僻地に大規模な風力発電所や太陽光発電所が建設されている。写真は寧夏回族自治区の風力発電所(寧夏電力のウェブサイトより)

なかでも、中国西北部や内モンゴル自治区のゴビ砂漠などの僻地で大規模な風力発電所・太陽光発電所が続々と建設され、2023年末時点の発電設備容量は合計210GWに上る。そこで発電された電力を(遠く離れた)消費地に送るニーズに応えることが、国家電網にとって喫緊の課題になっているのだ。

事業採算性に疑問の声も

国聯証券の調査レポートによれば、現時点で建設中または計画中の特別高圧送電線の整備に要する投資額は、2024年は1152億元(約2兆3523億円)、2025年は1251億元(約2兆5545億円)、2026年は1381億元(約2兆8200億円)と、年々増加する見通しだ。

そんななか、電力業界の一部からは事業の採算性を懸念する声も上がり始めている。

本記事は「財新」の提供記事です

「僻地の大規模な風力発電所や太陽光発電所で作られた電力を、どこに送り届け、誰が買い取るというのか」

ある国有発電大手の幹部は、財新記者の取材に対してそう疑問を呈し、計画実現には発電側と受電側の事業者間で「電力価格や送電量についての厳しい交渉が必要になる」という見方を示した。

(財新記者:趙煊)
※原文の配信は1月16日

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