バレンタインで「チョコ」食べる人が知らない真実 食べ物ではなく飲み物、しかも薬だった

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チョコレートは飲み物なのか、食べ物なのか、はたまた…?(写真:kash*/PIXTA)
もうすぐバレンタインデー。今では我々の生活に欠かせない存在となった「チョコ」ですが、さまざまな歴史や偶然の積み重ねのうえに、今の姿があります。
増田ユリヤさんの新著『チョコレートで読み解く世界史』より一部抜粋、再構成してお届けします。

ヨーロッパで最初にチョコレートを手にしたスペイン

ヨーロッパでいち早く、チョコレートを手にしたのは、言うまでもなくスペインです。マヤ文明やアステカ文明の時代、チョコレートは特権階級の飲み物でした。

原料となるカカオは、アステカ王国の勢力下にあった各地から首都に運ばれてきて、貢ぎ物として納められていました。しかし、1521年にコルテスがアステカ王国を滅ぼすと、スペイン人が貢ぎ物だったカカオを受け取るようになったのです。

スペイン人は、支配下においたメキシコを中心に、庶民にカカオドリンクを飲む習慣を広めました。その売り上げはスペイン人が手にしました。原住民のインディオの人たちは、カカオ豆をすりつぶしただけで甘味のないものを飲み続けていましたが、ちょうど同じころ、メキシコに砂糖が入ってきたので、美味しい甘味のついたカカオドリンクを飲む習慣が一気に広まりました。17世紀末までは、メキシコが世界最大のカカオ消費地でした。

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