したがって、ビットコインは現物ETFを背景に新しい投資家層の流入、それをネタに右往左往する既存のトレーダーたちの混乱で、乱高下をしばらく続け、いったん大幅下落したあと、どこかで再度上昇してくるだろう。
その上昇のきっかけはいろいろあるだろうが、それはまさに現実世界の状況次第、事件次第。株式市場が大幅上昇を続ければ、市場全体の大きなバブルの波に乗ってビットコインもバブルを続けるだろう。
盛り上がった後一気に大暴落か、暗号資産ETFは要観察
一方、アメリカの中央銀行であるFEDの利下げがなくて、慌てた投資家が株価を押し下げたり、あるいは軟着陸すると思われた同国経済が予想以上に一気に冷え込み、それにもかかわらず利下げは中途半端で株がパニック売りになったり……と、そのような“普通の”資産市場が崩れたときにどうなるか。
そのときはまさにバブルゲームを行う場所がビットコインしか残っておらず、資金の逃避先として安全資産が選ばれるように、「ゲーム」の逃避先として、ビットコインバブルゲームが再度盛り上がる可能性がある。
しかしこれは、市場全体の流れに勝てないから、一時的に盛り上がったあと、一気に大暴落する。そのときは、ETFの売り、「普通の」投資家の「ゲーム」ではない売りも殺到するから、とことん下がって、ビットコインの終わりが近づくかもしれない。
したがって、ビットコイン現物ETF上場はビットコインバブルゲームの終わりの始まりなのだ。
ちなみに、アカデミックな研究としても、1980年代、1990年初頭にも、クローズエンドファンドパズルということが言われた。要は、ETFの組成が増えるというのはバブルがピークにある兆候の1つであり、最もバブルになっているもののETF(インド株、あるカリスマ投資家のファンド、ベンチャーファンドETF、直近のSPAC<特別買収目的会社>の上場も同じことだ)が数多く組成されたことが知られている。
このような背景を認識のうえで、暗号資産ETF市場の動きを、今年は観察することをお勧めする。
(本編はここで終了です。このあとは競馬好きの筆者が競馬論や週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)
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