魚が獲れないのを海水温のせいにする人の盲点 「サンマが豊漁に戻った」と思う人が知らない真実

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漁獲量が増えているといっても、資源量が増えたのではなく、単に漁船が増えたり、漁業機器が発達したりといったことが理由となることがよくあります。これは極めて危険な状態で、漁獲量が長期にわたり増加し続けることは決してありません。

そして漁獲量のピークを過ぎた後に漁獲量が減り始め、日本のように漁獲量が減ってしまい、地方経済や消費者に悪影響を与えてしまうのです。一方で、漁獲量の減少に対して、環境などに責任転嫁しなかった国々もあります。乱獲を認めて資源管理を進めたノルウェーやニュージーランドなどでは、水産業が見事にV字回復して現在に至っています。

乱獲を認めるかどうか? 科学的根拠に基づく資源管理ができるか? でその後の水産業をめぐる国の運命が決まってしまうのです。

「点」ではなく「全体像」がわかる報道を

報道された内容自体は正しくても、全体像を解説しないと大きな誤解が生まれてしまいます。例えば2023年の10月末から11月にかけて「サンマが網走港で入れ食い状態」というニュースが流れました。全道から多くの釣り人が集まり、100匹以上釣る人も出たそうです。

このニュースを見て、サンマがたくさん獲れるようになったなどと誤解された方もいるようです。たくさん釣れたのは事実であっても、これはあくまでも「点」の話にすぎません。全体の漁獲量には影響はないのです。

全体ではほんの10年ほど前までは20~30万トン漁獲されていたサンマの漁獲量が、2022年にはわずか1万8000トンほどに激減してしまいました。全国さんま棒受網漁業協同組合が発表した2023年のサンマ水揚げ量は2万4433トンでしたが、前年より少し増えただけにすぎないのです。

入れ食いだったという釣りに関しては100人が1人1尾100グラムのサンマを100尾釣ってわずか1トンです。1カ月毎日続いても30トンです。それほど大きな数量ではありません。

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