厚生労働省の国民生活基礎調査(2022年)では、便秘の自覚症状がある児童(5~9歳)の割合は0.70%でした。ちなみに、10~14歳は0.53%。筆者らの調査結果とはかなりの開きがあります。
私たちは11月10日(トイレの日)~11月19日(世界トイレの日)を「うんちweek 」として、毎年この期間を中心に、全国の小中学校の協力を得て、排便記録活動を実施しています。
便の状態から健康状態を知る
この活動は、子どもの排便実態を把握するとともに、子ども自身が便の状態から健康状態を把握し、日頃の生活にフィードバックする習慣を身につけてもらうことを目的としています。
2023年は、小学生1万2307人、中学生1258人がうんちチェックシート(右図)に7日間記録しました。記録した内容は排便の有無と便形状、朝食の有無です。便形状はブリストル便形状スケールを参考にイラストを作成し、そこから選んでもらいました。
では、集計結果について説明します。
まず排便日数ですが、1週間のうち2日以下の児童・生徒を抽出しました。その理由は、「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」に記載されている慢性機能性便秘症診断基準(RomeⅢ、4歳以上の小児)の項目の1つに、「1週間に2回以下のトイレでの排便」が挙げられているからです。
その結果、小学生は9.0%、中学生は8.7%でした(下図)。排便回数には個人差や体調が影響しますが、1週間に2日以下というのは、便秘である可能性が高いと考えられます。
続いて、便の形状についての結果です。
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