台風や地震に備える「災害時トイレ」意外な盲点 自治体保有「トイレトレーラー」は全国20台のみ

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様々なタイプが出回っている携帯用トイレ(撮影:河野博子)

大地震はいつ来てもおかしくない。酷暑の日本列島はまさに沸騰状態で、鳥取県、岡山県、京都府をはじめ、各地は台風7号に伴う記録的大雨に見舞われた。「出水期(6~10月)」は続く。避難先の確保、飲料水や食料の備蓄とともに気になるのが、災害時のトイレ事情。2011年3月の東日本大震災時以降、改善されたのだろうか。

携帯用トイレって、どうやって使う?

東京・江東区の主婦らによるボランティアグループは、5年ほど前から「携帯用(非常用)トイレ」をめぐるノウハウを伝えはじめ、昨年は地域でのオンライン講座で講師役を務めたり、高齢者施設に出向いて話をしたりして活動を続けている。

このグループは東京都ビューティーケア赤十字奉仕団。50代から80代の主婦ら38人がメンバーだ。2011年3月11日の東日本大震災の後、江東区内に避難してきた原発事故被災者へのハンドケアなどの「癒しのボランティア活動」をはじめ、高齢者施設、福祉施設などでハンドケア、フェイシャルケア、ネイルカラーなどの活動を行ってきた。

2018年7月の西日本豪雨の頃からだろうか、水害が気になりだしたという。代表の岡田育子委員長が「線状降水帯による大雨が起きるようになり、もう絶対にやらないとダメだ」と思ったのが、携帯用トイレについての取り組みだった。

東京東部低地帯にある江東5区(墨田、江東、葛飾、江戸川、足立区)は大規模水害への備えを進めている。マンションが林立する江東区では、「自宅が上層階にある場合は在宅避難」が推奨されている。

堤防の決壊などにより浸水した場合、水が引くまでには1~2週間かかるとされる。その間、電気、水道が使えなくなる状況下でトイレも含め、自宅でなんとかしなければならない。

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