今回の排便記録の結果に関して、小児の便秘治療に詳しい中野美和子医師(小児外科医)は、こうコメントしています(調査結果資料より抜粋)。
「(便秘が病的な状態である)便秘症かどうかは、本来は便の性状や、排便しやすさなどと合わせて判断するべきものですが、今回の排便記録からの推測では、少なくとも8~9%、多く見積もると20%以上の児童・生徒が積極的な介入(生活習慣の調整、薬剤治療を含む)が必要な便秘症の可能性が高いといえる」
また、児童も生徒も自分の排便の状況を問題ないと思っていることが普通で、治療したほうがよい便秘症でも、よほど強い症状(痛みなど)がない限り、自ら便秘を訴えることはないとのことです。
子どもの勉強に支障を来す便秘
さらに、前述のガイドラインには「慢性便秘(便秘症が続く状態)は長期間にわたる問題であるため、患者や家族の日常生活のQOL(生活の質)を低下させるが、早期に適切な評価が行われ治療を始めることで、そこからのQOLを改善する可能性がある」といった内容が記されています。
便秘症は子どもが声を上げにくく、放置することで悪化して慢性化し、学校生活はもちろんのこと、日常生活に悪影響をもたらすことがわかっています。
便秘では、おいしく食べることも、元気に体を動かすことも、集中して勉強することもできません。
学校トイレの改善と排泄に関する教育の実施は、子どもの健康を守るための喫緊の課題です。大人は子どもからのSOSを受け止め、行動に移すべきだと思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら