排便教育ない日本、子供の26%「便秘疑い」の深刻 古い臭い学校トイレ、8割近くが「改修予定なし」

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
拡大
縮小

一般的に排便というと回数を意識しがちですが、形状もとても重要です。

たとえば、毎日排便があったとしても、ブリストル便形状スケール(前出「うんちチェックシート」で紹介)の1番もしくは2番であれば、便秘の可能性があります。逆に2日に1回の排便だったとしても、毎回3~5番のような便がすっきり出ているのであれば、よいといわれています。

また、前述の診断基準の項目の1つに「痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往」があります。

これを参考に、7日間のうち硬い便(ブリストル便形状スケールの1番または2番)が2回以上出ている児童 ・生徒を抽出しました。

硬い便が「週に2回しか出ない」子も

その結果、小学生で硬い便が2回以上だったのは17.8%、中学生で9.2%でした。

男女および学年別の内訳を下図に示します。最も多かったのは小学2年生の女子で24.9%でした。各学年ともに女子のほうが多く、男女ともに学年が上がるにつれて減少傾向にあります。ただし、女子に関しては中学生でも1割程度いることがわかりました。

硬い便が2回以上だった割合(出典:NPO法人日本トイレ研究所「小・中学生の排便記録2023」)
硬い便が2回以上だった割合(小学生、性・学年別)(出典:NPO法人日本トイレ研究所「小・中学生の排便記録2023」)

この排便記録活動は2020年から実施しており、今年で4回目となります。このうち2021年からの3年間は同じ記録方式を採用しています。

そこで、各年における「排便2日以下」と「硬い便が2回以上」のどちらかに該当する児童の割合および、両方に該当する児童の割合を合わせると、2021年は22.1%、2022年は24.7%、2023年は26.3%という結果になりました(下図)。

3年間の推移(出典:NPO法人日本トイレ研究所「小・中学生の排便記録2023」)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT