「『○○すべき』や『普通は○○』といった“世間の声”を装った企業や広告が、巧みに消費者にお金を使わせようとしています。広告やマーケティングはとても巧妙で『これが普通』『これを買うべき』という固定観念は、知らず知らずのうちに、私たちの思考のなかに深く刷り込まれているのではないかと思います」
そういった世の中の価値観から離れて、改めて自分の心に向き合ってみたふゆこさん。思い出したのはすごく幸せだった小学校時代だ。
「50円のお菓子・ねるねるねるねで大喜びしていたんですよね。もちろん子ども時代と単純に比較はできませんが、本質的に変わっていないところもあるはずです。友達と遊んだり、健康的に体を動かしたり、おいしい食事があれば、私はそれでいいと思ったんですよ。それが私にとっての本当の自分軸でした」
浪費メンタルをリセットして、メンタルの重要性を実感
軸を見つけることで、お金とのつきあい方が変わり、浪費メンタルをリセットする時間を持つことができた。だからこそ、20代で1200万円貯金ができたのだとふゆこさんは振り返る。この実体験から、節約貯金のために根本で必要なことはメンタルの持ち方だと強く思うようになったそうだ。
一方で、浪費にはストレスを解消してくれる役割もある。ふゆこさんがストレスのある会社員時代を生き抜いてこられたのは、浪費のおかげでもあるという。仕事にストレスを感じている人でも、辞めたり、休んだり、転職できない人も多いだろう。浪費に救いを見出しているとするならば、それが取り上げられてしまうのも危険なことだ。
そんな中で備えられることがあるとすれば、メンタルに大きくかかわる脳内ホルモンの仕組みを知ることだという。
「メンタルを保つのは技術だと思うんですよ。根性論ではなく、脳の仕組みを知ることで対処できることもあります。例えば、幸せの三大ホルモンと言われるドーパミンとセロトニン、オキシトシンにはそれぞれの特性があるので、知ることで自分なりの対処法を見つけられるかもしれません」
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