独り歩きする「心理的安全性」 誤解と本当の意味 「4つの不安」を解消し「7つの効果」を上げる

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オフィスで楽しそうに話す男女
今話題の「心理的安全性」、正しく理解していますか?(写真:zak / PIXTA)
「部下に注意したいけど、心理的安全性が大事だというし、厳しく言えないな……」。このような葛藤に直面したことはないでしょうか?
マネジメントに役立つ 心理的安全性がよくわかる本』を上梓した広江朋紀氏は、昨今、「心理的安全性」のキーワードが独り歩きして、その意味や本質が、正しく伝わっていないと言います。
「心理的安全性」を高めることは、「仲良しサークル」のような職場や、部下が自由気ままに振る舞うことをよしとすることではないという、その真意に迫ります。

そもそも、心理的安全性とは“Psychological safety”の日本語訳であり、この概念を最初に提唱したのは、ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・C・エドモンドソン教授です。教授によると心理的安全性は「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。

心理的安全性を低下させる「4つの不安」

たとえば、会議のシーンを想像してみてください。話についていけなくなったときに「もう一度説明してもらえますか?」と問い直したり、知らない用語を聞いたときに「その意味を教えてもらえますか?」と質問できるでしょうか?

「そんなこともわかってないのか?」と無知を指摘されることに不安を覚え、わかったふりをした経験がある方も多いのではないでしょうか。
こうした環境は心理的安全性が低いといえます。

エドモンドソン教授は、心理的安全性を低下させる要因として「4つの不安」(無知と思われる不安・無能と思われる不安・邪魔と思われる不安・ネガティブと思われる不安)をあげています。

(出所:『マネジメントに役立つ 心理的安全性がよくわかる本』)

それでは、なぜ今、心理的安全性が求められているのでしょうか。背景には、「働く環境の変化」と心理的安全性を高めることで期待される「7つの効果」があります。

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