慶応の甲子園優勝は「心理的安全性」で理解できる 日本の社会や企業の閉塞感を打ち破るカギに
組織の中で日々悪戦苦闘しているビジネスパーソンなら、「心理的安全性」という言葉がかなり気になっているはずだ。
提唱者である米ハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授の著書 『恐れのない組織』は日本でもベストセラーになった。同氏によれば、職場ではみんな「無知だと思われたくない」「無能だと思われたくない」「邪魔だと思われたくない」「否定的だと思われたくない」という4つの不安を抱えている。
例えば会議中にほかの人に変な質問をして無知だと思われたり、仕事で何度も失敗して無能だと思われたりすることへの不安を心の奥底に抱えているのである。
自分らしく活動していける状態
心理的安全性の定義は専門家の間でも100%一致しているわけではない。取材内容をまとめると、「組織内で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態。内部で安心感が共有される」ということになる。ほかの人たちの反応に怖さを感じることなく、自分らしく活動していける状態といえるだろうか。
極端な話だが、権力をすべて握るオーナー経営者が「恐怖政治」を行っているような企業は、心理的安全性の低い組織と考えられる(下写真上のイメージ)。できるだけフラットな関係性を構築し、活発なコミュニケーションが行われるのが望ましい(下写真下のイメージ)。もちろん、それにはいくつものプロセスが必要になる。
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