慶応の甲子園優勝は「心理的安全性」で理解できる 日本の社会や企業の閉塞感を打ち破るカギに

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

注意したいのは、多くのビジネスパーソンが「心理的安全性の高い組織はぬるま湯的な組織である」と勘違いしていることだ。心理的安全性の高い組織には一定の緊張感も伴う。この特集内でプロノイア・グループのピョートル・フェリクス・グジバチ氏が指摘するように、目的を間違えると「ワイワイガヤガヤ、笑い声が聞こえる」だけの職場になってしまう。目指すのはあくまで仕事で高いパフォーマンスを達成することなのである。

心理的安全性を高めていくために具体的に何をすべきなのか。特集ではこのテーマで最も注目されるエキスパートたちに詳しく解説してもらった。そのうえで、組織のリーダーやメンバーが今日から始めることのできる取り組みを紹介する。この特集で、日頃から頭の中に引っかかっていて、もやもやとしていた心理的安全性のすべてがわかるようになるはずだ。

全体の構図を理解してもらうためにこの心理的安全性を図解にしてみた。また心理的安全性に関連する重要なキーワードもまとめたので、ご覧頂きたい。エイミー・C・エドモンドソン氏が提唱した「心理的安全性」。あらためて定義を確認すると、組織内で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態を指すことである。組織のほかのメンバーが自分の発言を遮ったり、罰したりしない状態である。

この組織やチームにいる限り、人間関係の悪化が広がらないという安心感が共有されている。

人には優しい組織

職場にはみんなが感じる「4つの不安」があるというのは先ほど述べた。これをどう解消していくかがとくに大事になっていく。プロノイア・グループのピョートル・フェリクス・グジバチ氏によれば、その考え方の基本は「人に優しく結果に厳しく」「管理しないで支援」だ。

次ページ核心を理解する6つのキーワード
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事