守安功・ディー・エヌ・エー次期社長--スマートフォンのソーシャルゲームには巨大な可能性、世界制覇へ積極策を続ける

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 海外のゲームは、ゲームとしてはレベルが高い。しかし、買収したngmocoのスタッフに、モバゲーでのソーシャル要素の織り込み方やマネタイズの工夫など説明すると「なるほど」とは言うが、すぐにはピンとこないようだ。

海外市場では、忍者ロワイヤルのように日本で作ったゲームを投入するとともに、海外製ゲームに日本のノウハウを注入したものを出す。

過去に、海外でも、日本のフィーチャーフォンでやっているようなソーシャルゲームを運営していたことがあった。が、これは失敗した。通信環境の違いなどのあったが、ボタンを押すだけのような操作性では、ゲームとしては物足りなかったようだ。したがって、海外市場ではゲーム性を発揮できるアプリ版のソーシャルゲームが基本だ。

数年すれば、中国やインドなどの新興国でもiPhone4並みの機能の端末が普通に使われるようになるのは間違いない。世界中でスマートフォンのゲーム市場に注目が集まっているのはそのためだ。

日本の1億人のフィーチャーフォンで、これだけのソーシャルゲーム市場ができた。これが全世界30億人がスマートフォンを使うとなれば、ポテンシャルは極めて大きい。この市場に張らない理由はない。
 
 巨大市場で主導権を握るために世界中の企業が動いている。とにかく早く地位を築かなければならない。開発能力に優れたコンソールゲーム企業など、買収もまだまだあるだろう。必要ならば積極的に手を打っていく。
 
もりやす・いさお
1998年、東京大学大学院(工学系研究科航空宇宙工学)修了、日本オラクル入社。99年、システムエンジニアとしてディー・エヌ・エーに入社。06年6月取締役に就任。11年6月代表取締役社長就任。

◆ディー・エヌ・エーの業績予想、会社概要はこちら

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(丸山 尚文 撮影:田所千代美 =東洋経済オンライン)

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