守安功・ディー・エヌ・エー次期社長--スマートフォンのソーシャルゲームには巨大な可能性、世界制覇へ積極策を続ける
--4月下旬の決算発表時には南場智子社長は続投だった。それから1カ月弱で急遽交代を発表するという異例の展開だ。経営に混乱はないか。
社長交代のタイミングは急なことなので確かに驚いた。とはいえ、ディー・エヌ・エーの主力事業のモバゲーは、そのスタート時から私が担当してきた。モバゲーについては、海外事業の買収など、事業の戦略立案から実行、日々の運用まで全体を私が考え、南場と相談しながら進めていた。その意味で、連続性を欠いたり、事業運営が混乱するようなことにはならない。
取引先などをあいさつ回りしているが、それまでもモバゲーの事業に関しては、南場よりもむしろ私のほうが前面に立っていたので、突然知らない人物が社長になるという感じではないと思う。不安を抱かれることはないのではないか。もっとも、新しく社長になる人間が挨拶に行って、面と向かって「急な交代で不安です」という人はいるわけはないが(笑)。
--公正取引委員会から独占禁止法違反で排除措置命令を受けた。社長交代に関係したのでは。
発表のとおり、南場が夫の看病を優先するのが理由。独禁法違反が関係しているなどというのは完全な憶測だ。
--南場氏は今後どう関わるのか。また大株主でもある。
非常勤の取締役になるが、具体的にどの程度勤務するようになるかはまだ決まっていない。将来的に代表的な立場に復帰することはない。株を売るという話も聞いていない。
--会社の顔ともいえる南場氏の役割をどう埋めるのか。
モバゲーなど事業運営については問題ない。IRや大手企業との交流、採用活動などは南場が前面に立って活動していた。そうしたところは私や会長になる春田真など幹部で役割分担していくことになろう。
ただ、以前から組織として成長するには南場に依存するリスクを減らさねばならないと考えており、実際にそうした体制作りを進めていた。すでに組織として対応できる状態になっている。