ニトリ買収後の島忠「ホームズ出店再開」で挑戦状 PB開発でニトリと連携「価格で勝負」と宣戦布告

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小売りや流通市場に詳しいJPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは、「買収される前の島忠は、ほぼメーカー品だけの展開でこれだけの利益率が取れていたため、経営効率は比較的良好だったといえる。コロナ特需がなくなった影響が想定より大きく、施策の効果が出づらいのではないか」と分析する。

島忠は家具を多く扱うホームセンターとして、関東圏を中心に出店を続けてきた(記者撮影)

実際にホームセンター業界の市場規模は、コロナ禍の巣ごもり需要で2020年度以降は4兆円台を突破したものの、特需一服で3兆円台に再び落ち込む可能性がある。

特に同業他社よりも家具を多く扱う島忠は、コロナ禍で多くの恩恵を受けた。作業机やいす、収納家具など高単価品が多く売れたため、その反動は大きい。

特需剥落の影響は、ニトリが主戦場とする家具ホームファッションも同様だ。ニトリの月次売上高(国内)によれば、今2024年3月期で既存店売上高の同月比が前年を超えたのは今のところ7月と11月のみ。巣ごもり特需の反動減に加え、円安を受けて値上げした影響が客数に響いている。12月以降は、値下げキャンペーンやTVCMなどで回復を図る。

島忠の強化が必要なワケ

家具・ホームセンターともに事業環境は厳しい。が、ニトリグループの成長に向けた島忠の再生は急務だ。グループ店舗網のうち約3割を占める大型店(売り場面積約4500㎡~)では柔軟な出店ができないため、多様な業態開発が今後の焦点となる。中でも島忠は首都圏や都市部の店舗網が強みで、小型から中型店まで柔軟に展開できる。

ホームズ横浜鶴見店について島忠の須藤会長は「実験店の位置づけ。商品価格や品ぞろえなど、今まで立ててきた仮説を検証したい」と語った。ニトリグループ傘下で第2のスタートを切った島忠。ホームズ新店の挑戦は、買収の成否を占う試金石となりそうだ。

山﨑 理子 東洋経済 記者

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やまざき りこ / Riko Yamazaki

埼玉県出身。大学では中国語を専攻、在学中に国立台湾師範大学に留学。2021年東洋経済新報社に入社し、現在小売り・アパレルを担当。趣味はテレビドラマのロケ地巡りなど。

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