ニトリ買収後の島忠「ホームズ出店再開」で挑戦状 PB開発でニトリと連携「価格で勝負」と宣戦布告

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一緒に登場した島忠の須藤文弘会長は、ホームズ横浜鶴見店の周辺にホームセンター「コーナン」が複数出店していることに言及し、とくに価格面で意識していると語った。

「ホームセンターや、スーパーマーケット・ドラッグストアも日用品が安い。今まで島忠は競合での販売価格をあまり気にしてこなかったが、客数を増やすためには価格面でも勝負していかないといけない」(須藤会長)

店頭では目立つ場所にPB商品を陳列し、価格訴求品として展開している(記者撮影)

島忠は約2400点のPB商品を開発し、足元の売上高比率は15%だが、「早急にPB比率40%を達成したい」(岡野社長)。トイレットペーパーや洗剤、ペットシーツなどホームセンターならではのPB商品を充実させており、価格訴求品として展開していく。

ニトリにとって島忠は、初の大型買収となる。2021年の買収直後は「島忠でニトリ商品が買えるようになる」と同業他社は警戒したが、ニトリのトレードマークである緑色をホームズでは封印したままだ。

ニトリとコーナン「創業者」のつながり

ニトリの似鳥昭雄会長は長年にわたり、ホームセンター業界3位のコーナン商事の社外取締役を務めてきた。コーナンの疋田直太郎社長は、島忠買収後も社外取締役を続投することについて「似鳥会長には適切な経営アドバイスをもらっている。島忠を買収しても影響はない」と公言してきたが、今年5月に似鳥氏は任期満了で退任した。

かつてコーナン創業者の疋田耕造氏が、ニトリの関西進出の際に似鳥会長に頼まれて手助けしたことから始まった両社のつながり。今後の関係性にも注目が集まる。

PB商品を武器に出店を再開させた島忠だが、構造改革は道半ばだ。ニトリは買収時、島忠の経常利益率を2020年8月期の6.6%から、2026年2月期には12%まで高める計画を掲げていた。しかし、直近で島忠の経常利益率は3.3%まで低下(2023年3月期)している。

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