商品価格が多様化する100円ショップと、継続のセリア
「私たちの世界に価格競争はない」
10年くらい前、テレビ番組の取材で多くの100円ショップ企業に出向いた。そのときに衝撃を受けた言葉がこれだった。つまり各社は商品を100円にしているから、価格はカルテルのように固定している。あとは、その100円のなかでいかにお客に選んでもらえるか、付加価値の勝負をしているのだ、と。
面白いと思った。たとえば自動車の価格が100万円で固定されて各社が争うことはありえない。100円ショップのくくりは独特で、100円を前提にして高品質・魅力ある商品を作ればいいのだ、と。
そこから幾星霜。現在では、100円ショップといっても、200円、300円、1000円のものも取り扱っている。商品の幅が増え、だいぶプライベートブランド商品が多数を占めるようになった。ダイソーはたとえば「100円の商品も置いているバラエティショップ」といったほうが近いのではないだろうか。
いっぽうで、セリアはホームページにも「100円ショップのSeria(セリア)」と記載している。基本的には100円均一を保持する方針だ。デフレの象徴ともいえる低価格商品業態がどこまで方針を貫けるか注目したい。
ところで、このところ、そのセリアの円安による不調が囁かれている。利益も減ったし、そして閉店が相次いでいるという。
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