UUUM創業者が顧問退任へ、深まった会社との軋轢 身売りからわずか3カ月、かつての求心力は失墜
TOBが発表された8月、筆頭株主だった鎌田氏は過去の大量保有報告についての訂正報告書を関東財務局に提出している。訂正箇所は「当該株券等に関する担保契約等重要な契約」という部分だ。
同氏は2022年6月、東海東京証券に200万株を担保として差し入れたことを報告していたが、それ以外にも大和証券に200万株、野村信託銀行に55万株を差し入れていたと訂正。当時、鎌田氏が保有していたおよそ600万株のうち、約75%が担保に出されていた計算になる。
担保に入れられたままの状態では、株式を売却できない。TOBのデューデリジェンスを実施する過程で発覚したもようで、UUUM経営陣もそのとき初めて知ったようだ。
鎌田氏はこの株担保ローンによって数十億円を借り入れていたとみられる。UUUMの役員らは当然それら資金の使用用途も把握しておらず、ショックは大きかったという。「創業者であり筆頭株主でもある人間が、周囲に知らせず大半の株式を担保に入れていたというのは普通では考えられない」。業界関係者はそう話す。
東洋経済は鎌田氏に対し、顧問退任の経緯や株担保差し入れの報告をしていなかった理由などについて問い合わせたが、期限までに回答はなかった。
鎌田氏なきUUUMの今後
業績悪化に苦しんだUUUMは目下、フリークアウトの子会社として再出発の過程にある。今2024年9月期第1四半期(2023年6~8月期)も、新作ゲームの不調などにより営業赤字から抜け出せずにいる。
今期は不採算事業の撤退や人員削減などの構造改革に着手し、収益が安定しづらいゲーム事業については将来的に撤退する方針を明らかにしている。「ショート動画」の普及に伴いアドセンス収入が低下する中、グッズ販売やマーケティングなどを軸にビジネスモデルの立て直しを進める。
11月24日には、TOB後の新たな経営体制が発足。梅景氏が社長を続投し、フリークアウト側から2人の取締役が送り込まれた。
創業者なきUUUMは変革できるのか。今まさに、再起に向けたターニングポイントにさしかかっている。
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