広告主が相次ぎ出稿停止「X」は何がヤバいのか もはやXを使うこと自体が逆宣伝?

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マスクが反ユダヤ主義陰謀論の投稿に賛同し、Xでは親ナチスの投稿と一緒に広告が表示されるケースがあると研究者らが注意を呼びかけたことを受けて、ここ数週間で広告出稿をやめた広告主は200社を超える。売り上げの大半を広告から得ているXは、ブランド各社が身を引いたことで、年末までに最大で7500万ドルの広告収入を失う危険にさらされている。

状況は11月29日、ニューヨークで開催されたニューヨーク・タイムズ主催の「ディールブック・サミット」で、マスクが広告主をあおる発言をしたことで一段と悪化した。

同イベントのインタビューで、マスクは反ユダヤ主義的な投稿について謝罪し、これまで自身が行ったものの中で「最も愚かな投稿の1つ」だったと述べる一方、広告主が自分を「脅そう」としているとも語り、サミットに同席していたウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOボブ・アイガーを名指しした。

そしてマスクは「広告を出すな」と、下品なののしり言葉を何度も使って、自らの言い分を強調した。

その数時間後、XのCEOリンダ・ヤッカリーノは被害の軽減に努めていた。ヤッカリーノはXへの投稿で、反ユダヤ主義的な投稿を支持したことに対するマスクの謝罪に注目点をずらし、Xに戻ってくるよう広告主に訴えた。

広告主にまったく響かない「Xの大義」

「Xは、一部の人々が不快と思う『情報の独立性』を可能にしている」とヤッカリーノは書いた。「Xの立ち位置は、言論の自由と普通の人々が交わるユニークで素晴らしい交差点だ。Xのコミュニティーは強力であり、皆さんを歓迎する」。

Xの広報担当者はコメントの求めに応じなかった。

マーケティング・メディア・コンサルティング会社イービクイティで最高戦略責任者を務めるルーベン・シュルールスは、ヤッカリーノは言論の自由に関するXの見解をブランド各社に支持してもらおうとしているようだが、広告主がXの目標を後押しする可能性は低いと話した。

「まったく共感を呼んでいない」。シュルールスは、広告出稿の一時停止は「広告出稿の打ち切りに変わりつつある」ようだと付け加えた。Xの経営陣もしくはオーナーの変更がなければ、広告主が出稿再開を検討する可能性は低いと言う。

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