広告主が相次ぎ出稿停止「X」は何がヤバいのか もはやXを使うこと自体が逆宣伝?
ほかのマーケティング会社はブランド各社に対し、Xを完全に捨てるよう勧めている。コンサルティング会社アビドス・メディアを経営し、ヘルスケア業界などで最大5000万ドルのメディア予算を持つクライアントを抱えるメディア・プランニング界のベテラン、トム・ヘスポスは11月30日、クライアントに対し、Xへの広告出稿だけでなく、投稿自体もやめるべきだという勧告を初めて正式に行ったと述べた。
ヘスポスは「良心があるなら」、マスクがXで行ってきたことに「加担し続けるようクライアントに勧めることはできない」と語った。
Xに多額の広告費を投じてきたが、最近出稿をやめた企業には、アップル、ディズニー、IBMなどがある。ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)やニューヨーク・タイムズのスポーツサイト「ジ・アスレチック」などは出稿を続けている。
29日のディールブックのイベントで、マスクは広告主のボイコットが長期化すれば、Xがつぶれる可能性があることを認める反面、Xが倒産すれば、世の中は私ではなく、広告主を責めるだろうと語った。
「私は決して迎合しない」とマスクは言った。
マスクは「広告主にとって危険なパートナー」
マーケティング管理コンサルティング会社マーサー・アイランド・グループの創業者スティーブ・ボーラーは、広告主の懸念を一顧だにしないマスクは、広告主から危険なパートナーとみなされるようになったと指摘する。
マスクの「コメントは、X、広告主との付き合い方、さらには広告主の考えを気にかけているのかどうかといったことについて、とてつもない不透明感があることを示している」と、年間1000万ドル〜5億ドルの広告予算を持つクライアントと仕事をするボーラーは語った。
「これは人としての問題でもある。ビジネスには大勢の人が関わっており、誰もが敬意を払われ、尊厳を持って扱われたいと思っている」とボーラーは付け加えた。
(執筆:Kate Conger記者、Tiffany Hsu記者)
(C)2023 The New York Times
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