あのJR東海が自ら始める、「新幹線通勤」の快適度 さらば単身赴任!東京から新大阪まで通勤圏に

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従来の居住地は、出社指示があった場合、午前11時までに出社できる範囲と定められていたが、これを撤廃。日本全国どこにでも住めるようになった。通勤手段も自由になった。

結果的に制度拡充後わずか4カ月で、130人以上の従業員が新幹線や航空機での通勤圏へ転居した。九州(全体の48%)、北海道(31%)、沖縄(10%)など、遠方が多いというから驚きだ。1都3県以外に東京オフィスの社員のうち約400人が移ったという。

新制度は既存の従業員にだけでなく、採用活動にもプラスの影響を及ぼしている。2021年と比べると中途採用の応募者数は1.6倍に増加。中でも1都3県以外からの応募者が増加傾向にある。

実際、九州や北海道からの東京出社は現実的でなく、完全リモートワークを実現したヤフーだからこそ、可能だったといえる。新幹線通勤はITエンジニアやデザイナーなどリモートで業務が完結できる職種とは相性がよさそうだ。

メルカリは新しい働き方として「メルカリ・ニューノーマル・ワークスタイル“YOUR CHOICE”」を9月に導入。この制度では、フルリモートワークと出社とを個人で選択できて、居住地も自由に選べる。通勤手段も自由だが、通勤手当はヤフーと同様に、月額15万円が上限だ。

その結果、リモートワークを選んだ従業員は、全体の9割以上に上った。東京オフィスだけで見ると、約10%が首都圏以外に住んでおり、新幹線通勤などを利用しているのは13.7%だった。

住環境を変更した、あるいは変更を予定している従業員は、全体の48%となり、30%以上が移住を検討しているという。興味深かったのは、「この制度がパフォーマンスを促進するものになっているか」という社内アンケートを行った結果、9割以上が「そう思う」と答えたところだ。働き方や居住地を自由に選べることが多数の支持を集めているのがわかる。

勤務地は「自宅」、航空機での出社もOK

さらに進んでいるのはNTT。22年7月からは原則リモートワークを基本とする働き方に変更した。勤務地は“従業員の自宅”としており、会社の通勤圏に居住する必要はない。リモートワークと出社のハイブリッドを想定しているため交通費自体は支給する。出社は「出張」扱いとし、交通費の上限もないため、新幹線はもちろん航空機での出社も可能なのだ。

ハイブリッドワークを想定しつつ新幹線通勤を導入した企業もある。ZOZOの場合、エンジニアやデザイナーが所属する開発部門をフルリモートとしている一方で、マーケティングや営業、バックオフィスなどの人員が属するビジネス部門では、週2日の出社を義務づけるハイブリッドワークにしている。そのうえで交通費を月額15万円まで支給し新幹線などでの出社を可能にした。

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