ド文系こそ知るべき偉大な「微分・積分」のヒミツ 300トン以上の飛行機が飛べるのも微分・積分のおかげ
現代文明は微分積分の“予測”なしには成り立ちません。
天気予報、人工衛星やロケットの進路の予測、コロナウイルスなど感染症の広がり方の予測、自然災害の被害予測、金融市場における株価の動きの予測など……。それらの“予測”はすべて、微分積分を使って行われています。
簡単な予測の計算であれば、実は小中学校のときに多くの方が経験しています。例えば、「たけし君が時速5キロで歩いて10キロ先の目的地に向かうとすると何時間後に到着するか」といった計算がそれです。
この問題の答えは「2時間後」ですが、こうした計算問題は、数学で未来予測を行う第一歩といえます。というのも、歩き始めた時点で、何時間後に目的地に着くかという未来のことが計算でわかってしまうからです。
微分積分は、こういった予測のための計算を洗練させて実用性を高めたものだと考えてください。
先ほどの例では、たけし君はずっと時速5キロで歩き続けることになっていますが、実際にはずっと同じ速さで歩き続けることは難しいでしょう。少し疲れたので遅く歩いたり、下り坂で走ってみたりといった変化が必ずあるはずです。
こういった現実的な状況を考えるときに、微分積分が必要になります。
「変化を積み重ねる」ことで未来を予測する
では、具体的に微分積分でどうやって未来を予測しているのか、その仕組みをこれから説明していきます。
今さらの説明ですが、微分積分は「微分」と「積分」という2つの言葉をつなげたものです。
微分と積分は、それぞれ別の計算テクニックですが、未来を予測するために一緒に使われることが多いため“微分積分”とセットで呼ばれます。
その基本的な考え方は、「変化を積み重ねる」ことで未来を予測する、というものです。
「千里の道も一歩から」という言葉がありますが、未来の姿は、現在からスタートして少しずつ変化が積み重なった結果です。ということは、未来の姿を知るためには、現在からの「変化の積み重ね」がどうなるかを知ればよい、ということになります。
「変化の積み重ね」がどうなるかを知るためには、2つのステップが必要です。
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