ド文系こそ知るべき偉大な「微分・積分」のヒミツ 300トン以上の飛行機が飛べるのも微分・積分のおかげ

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第1ステップは、1つひとつの小さな変化を考えること。物事がどう変わっていくか、その1つひとつを知ることができれば、その先にどう変化していくのかも見えてきます。

第2ステップは、その変化が積み重なっていくと最終的にどうなるのかを把握することです。

つまり、まずは1つひとつの小さな変化を知り、次にその変化が積み重なった結果を見ることで、未来の姿がわかるのです。

このとき、第1ステップ(小さな変化を考える)に使われるのが微分、第2ステップ(その変化を積み重ねた結果を考える)に使われるのが積分になります。

まとめると、図表1-1のようなイメージになります。このイメージを頭に入れてからこの後の文章を読んでいくと、微分積分の何たるかが明確に理解できるようになるでしょう。

出所『見るだけでわかる微分・積分』

では、微分積分の考え方は、現実社会でどのように活用されているのでしょうか。

300トン以上もある金属の塊が空を飛べる理由

例えば、空を飛ぶ飛行機。飛行機は巨大な金属の塊で、ジャンボジェット機などは300トン以上もあります。私の父は、「あんな金属の塊が空を飛ぶなんてありえない」といって、飛行機に乗るのを嫌がりますが、気持ちは少しわかります。

実際に、あれだけ巨大な金属の塊を飛ばすためには緻密な設計が必要です。そのため、飛行機を設計する際は、実際に空を飛んでいるときを想定して、周辺の空気の流れ、機体にかかる圧力(気圧)などを分析しなければなりません。

そこで、航空機メーカーは、コンピューターを使った飛行シミュレーションを行いながら機体を設計していきます。

つまり、実際に空に飛びあがる前に、微分積分を駆使して「空を飛んでいるときに何が起きるか」の徹底した予測を行い、それにもとづいて飛行機を設計しています。

飛行機の周囲を取り巻く空気の流れは、とても複雑です。まず、飛行機そのものが胴体、主翼、尾翼、ジェットエンジンなど色々なパーツに分かれているため、機体のどの部分かによって空気の流れは大きく違います。

また、どこかの方角から風が吹いてきたり、機体の姿勢が変わったりといった、ちょっとしたことでも空気の流れは変わってしまうのです。

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