「若者に日本語が通じない」学者が明かす根本理由 うまく意思疎通ができない言葉の"落とし穴"

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それゆえ、無用だから、面倒だからと、若い人たちが言葉にソッポを向くのは損なのです。

彼らがそのことに気づいて、言葉の裏まで理解する幅広い日本語力をつけてくれたなら――。

そうすればきっと、世代間の溝もより狭まるはずです。

ちぐはぐな「色をつける」の会話
遠回りな言葉は若者には伝わりづらい(イラスト:「じつは伝わっていない日本語大図鑑」より)

【もうひとつの意味:力試しクイズ】

問:それぞれの言葉の、文字どおりではない別の意味は何でしょう?

① 「踏み台にする」
② 「水を差す」
③ 「雷が落ちる」
④ 「船を漕ぐ」
⑤ 「秋風が吹く」
⑥ 「ぬるま湯につかる」
⑦ 「尻尾を振る」
⑧ 「種をまく」
⑨ 「寝た子を起こす」
⑩ 「バスに乗り遅れる」

           (※答えは、記事の最後に)

理解されないときは「言い換え」の工夫を

返答に変な間があったり、反応が不自然だったり。話していて「あれっ、もしかしたら通じてないかも」と相手に感じたら、よりわかりやすい他の言い回し、言い換えを工夫して、伝え直してみることが大事です。

たとえば「足踏みをしています」と言って、キョトンとされた場合には、「はかどっていないんです」「今やっていることが停滞しているんです」などと。実際その場で足踏みをしてみせて、「ほら、少しも前へ進んでいないでしょ」と言ったなら、さらに理解してくれるでしょう。

また、理解できなかった側も、うやむやにその場をやり過ごそうとしないこと。

たとえば、料理の話題でもないのに、「味噌をつける」とは変と思うはず。あるいは、工場でもないホテルで「缶詰めになる」とは、どう考えても結びつかない……。

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