「文章読めない社会人」国語教師が教える根本要因 すらすら読めるようになるにはどう鍛える?

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なんと、日本語において該当する言葉は10個以上あります。

「そんなに!?」と思う人も多いと思うので、順番に見ていきましょう。

四字熟語でいえば、「前代未聞」と、「空前絶後」があります。

「前代未聞」は言葉どおりに解釈すると「前に聞いたことがない」ということですし、「空前絶後」は「前は空で、後ろにも何もない」ということなので、「ほかにないほど珍しい」という言葉であることがわかると思います。また、「空前」だけでも1つの言葉として成立します。

ほかにも、「未曾有」という言葉もありますね。「未曾有の大災害」というように使います。

それ以外には、「不世出」、という言葉もあり、これは主に「不世出の大天才」というように頭がいい人に対しての褒め言葉として使うものです。

出来事だけでなく、人の評価などに対して使う場合は、「随一」「唯一」などの表現もありますね。「唯一無二」なんて言ったりします。

また、才能についていうのであれば「異才」という言葉もありますし、ほかと比べて素晴らしい様子を「抜きん出る」なんて言ったりすることもあります。

同じ意味の言葉が沢山ある理由

類い稀・前代未聞・空前・空前絶後・未曾有・不世出・随一・唯一・唯一無二・異才・抜きん出る……。

同じ日本語なのに、こんなにたくさんの「ほかに例がないほど素晴らしいこと・ほかに例がないほど大変なこと」が表現されているのです。

でもなぜ、こんなにいろんな言葉があるのでしょうか?

古典単語でも漢文の言葉でも、ここまでたくさんの「同じ意味の違う言葉」はありません。ですから、この1000年〜2000年の間で、日本人はいろんな「同じ意味の違う言葉」を作っていったと考えることができるでしょう。

その理由について私は、多くの文章が作られるようになったからだと思います。同じ言葉が何度も出てくる文章って、なんだか幼稚な印象を受けますよね。

「この人って本当にすごいんです!才能もすごいんです!とにかくすごいんです!」とだけ言っている文章って、なかなかそのすごさが伝わりにくいと思います。

それよりも「この人は不世出の大天才であり、この功績は唯一無二のものであり、この発言は前代未聞のもので、この才能はこの当時は類い稀なものだった」

なんて言われたほうが、そのすごさが伝わると思います。

このように、たくさんの言葉を使って表現することで、その素晴らしさを強調しているわけです。

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