入社してすぐに転職を考えてはいけないの? 今の職場が自分に合っていない場合の対処法

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話を戻しますが、では、どんな辞め方が理想なのでしょうか。当然、現在の職場で何かしら個人としての実績を作ったうえで辞めるのが理想ですが、雪さんのケースでは難しそうです。そこで重要になるのが、次に何をするか、です。今回(最初の会社)は合わなかったでいいとして、次の職場でもすぐに辞めると、やはりその行為自体が雪さんを表す形容詞になってしまいますので、次の仕事選びとそこで何を成し遂げるかが非常に重要です。

次の職場では、仕事上の結果を出せば、その結果に焦点が当たり、以前の話(数カ月で辞めた)には焦点が当たらなくなります。次の仕事が一生ものである可能性は誰にもわかりませんので、個人としては、次へとつなげることをつねに念頭に置くべきです。とにかく、成果にこだわりましょう。

何事も「結果オーライ」

私自身も最初の会社を1年未満で辞めていますが、いまだかつてその行為自体にネガティブな焦点が当たったことはありません。その後の成長(会社を上場させて役員までやったなど)が、その前の「短期間で辞めた」という事実を覆い隠しているからだと思っています。簡単な言い方をすると「結果オーライ」です。

私の場合は、より無名で、より体制がぐちゃぐちゃな会社に行ったわけですが、今でも数カ月で辞めるという決断をしたことが、その後の自分のキャリアを切り開いたと思っています。最初の会社をすぐに辞めちゃったからという理由で、採用を断られたことはいまだかつてありません。むしろそんな話が面接などの場で出た記憶もありません。

逆に、何も実績がない中で何度も短期間での転職を繰り返すようだと、さすがに世間の見る目は厳しくなるでしょう。結果論でしか測れない部分もありますが、要は、結果を出すためのポジティブな転職か、逃げるためだけのネガティブな転職かの違いだと思います。

前者であればその後はポジティブな結果に焦点が当たりますが、後者だとやはりネガティブな側面のみがクローズアップされるので要注意です。

どんな仕事を選び、そこで何を成し遂げるかが大切です。その最初のステップは今の会社での経験を通じて、どんな仕事を苦痛と感じるのか、仕事におけるどんなところに興味を持てるのか、そういったことを棚卸しするよい機会ととらえてください。

仕事を辞めるという決断をするわけですから、その分だけ周りの同年齢よりも雪さんはいい経験をしていると考えることもできます。いや、むしろ私ならそう考えます。ただし、その経験から何を学び、そしてそれをどう今後に生かすかが重要です。

今回の経験によって、雪さんが正しい方向に成長していくことを祈っています。ご自身の信じる道に向かって邁進することを応援しています。

 

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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