確かに連想される場合もあるでしょう。それは事実かもしれません。しかし、自分に合わないとわかっており、なおかつ、どう転んでもその状況に改善の余地がないとか、ほかに行けばより自分にとっての成長が期待できるなどが明白であれば、それは自分の成長を考えた際には、躊躇すべきではないのだと思います。
自分への投資に貪欲になるべし
本連載でも何度が申し上げましたが、若い頃のキャリアは将来の自分自身への投資期間です。したがって、その投資に対するリターンを高める方策を講じることに対しては、むしろ貪欲になるべきだと私は思っています。
そしてその貪欲になる方法としては、現在の職場で頑張るのか、それともほかに活路を見いだすのか、にすぎないということです。雪さんがやめた先に何を見据えるか、決断の成否を分けるポイントになります。
詳細なアドバイスに入る前に、私の考えを説明します。私は、職業経験もなければ情報も限られている学生という段階で選んだ会社が、一生、自分にフィットすると考えるほうがどうかしており、その前提に無理があると思っています。もちろん、やってみたら楽しかった、最初はつらかったけど徐々に慣れた、ということもあるでしょう。もし、そうであれば、ある意味では理想だと思います。
ただし、全員が全員、そんなラッキーに巡り合えるわけではありません。期間の長短を問わず、転職という手段をつねに選択肢に入れるべきだと私は思っています。学校の勉強のように正解はひとつで、そのレールから外れることは許さないという発想では、人生はもとより、シビアなビジネスの世界をそもそも渡り歩いていけません。
仮に目指すべき到達点が同じだったとしても、やり方はそれぞれ違っていいのです。自分自身の人生なのですから。
「何事も我慢して3年はやれ」と言う方もいますが、正直、この時代に成長できない(と自分が思い、仕事へのモチベーションが上がらない)場所に3年もいて悶々とすることのほうがリスクだと思います。キャリア当初の3年をなめてはいけません。
私がそう言うだけでは若干不安になるかもしれませんが、実際、私の友人知人で上場企業を含む企業の採用担当をしている人間が何人もいますが、全員口をそろえて、若者が短期で会社を去ることに対するネガティブな先入観はなく、その理由もハッキリいって「合いませんでした。間違えました」で問題ナシという意見が多いです。むしろダラダラと数年引っ張った揚げ句に、何の成長もせずに切羽詰まって辞めることを問題視しています。
おそらく彼らの考えの背景にあることも、私と同様の考え方です。確かにすぐに会社を辞めることをネガティブにとらえる人はいますが、全員が全員そうではないのです。
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