「認知機能の低下」訴えるアメリカ人が増えた理由 原因はおそらくコロナ後遺症による脳損傷

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アメリカでは国税調査によって、認知障害を抱える人が増えていることが明らかとなった(写真:Lauren Petracca/The New York Times)

記憶力、集中力、決断力などで深刻な認知障害を抱えるアメリカ人が過去15年間で最も多くなったことが、国勢調査局のデータから明らかになった。

増加は新型コロナウイルスのパンデミックとともに始まり、思考に「深刻な困難」を訴える労働年齢の成人は推定で100万人増加した。

歩行や階段の上り下りにも問題

現在18〜64歳の成人のうち、歩行や階段の上り下りに問題があると回答した人と、深刻な認知障害があると回答した人の数は、国勢調査局が2000年代にこうした調査を毎月行うようになってから初めて同じになった。

トレンドを主導しているのは、比較的年齢層の低い人々だ。

認知機能の低下を訴える人々の急増からは、研究者によると、少数ではあっても無視できない割合の若年成人に対する「長期コロナ感染症」の影響が読みとれる。

心理的苦痛を含むパンデミックの別の影響も関係している可能性が高い。ただ研究者は、増加の背後にあるすべての理由を完全に解き明かすことはまだ不可能だとも話している。

データを分析したニューヨーク連邦準備銀行のエコノミスト、リチャード・ダイツ氏は、増加の大部分を長期コロナ感染症と結び付けた。「数字はこんなふうには動かない、(特別な理由がなければ)こんなふうに急増し始めることはない」と言う。

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