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趣里の迫真演技が伝える「貧困に喘ぐ女性の現実」 ドラマ「東京貧困女子。」監督×脚本家対談【前編】

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役者さんってすごいですよね。このセリフは、書いた時点でも十分つらかったんですけど、撮影で東風さんの体を通して絞り出される様を目の当たりしたときには、口に出すだけで何かが崩れしまいそうな葵の心情がありありと伝わってきたんです。自分で予想していた以上の衝撃を受けました。

誰もが絶対善でもなければ絶対悪でもない

青木:実は﨑田自身も、かつては「何もわかっていない側」に立っていて、その彼が貧困について目を開かされるきっかけとなった重要人物が登場します。強い女性なんだけど、「逃げる」がキーワードになっていて、でもその「逃げる」は決して後ろ向きなものではない、その点で、一番扱いが難しく、残された﨑田にとっても、その後の生き方・考え方に大きく影響してくる忘れられない別れが描かれます。

フリーの風俗ライター、﨑田祐二(三浦貴大・演)の過去に大きく影響を与える人物を演じる高田夏帆さん(写真:WOWOW)

高羽:先ほど、摩子は何もわかっていないと言いましたが、﨑田も決して完璧な人間ではありません。その過去の一件以降、貧困問題に対しては感度が高くなっているとはいえ、言葉も態度も無神経だし、どこか女性蔑視的なところもあって、おまけにコミュニケーション不全気味です。

世の中の複雑で不思議なところを表現したい(写真:WOWOW)

人間には誰しも、いいところ、悪いところ、いろんな側面があって、互いにかかわり合ったときに、いい結果を生むときもあれば悪い結果を生むときもある。摩子と﨑田の関係性もそうだし、貧困女性と周囲の人たちの関係性もそうです。

そういう世の中の複雑で不思議なところを表現したいという思いもありました。誰もが絶対善でもなければ絶対悪でもない。いろんな種類、いろんなレベルの善悪がないまぜになっているのが人間であるというのは、脚本執筆で特に意識したことの1つです。

この記事の後編三浦貴大の神セリフ「貧困は個人の問題じゃない」

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