「月収10万円」都内で一人暮らし続ける女性の苦境 食事はフードバンク頼り、娯楽はテレビだけ

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吉田雅美さん(仮名、51歳)の低賃金、低収入が原因となるギリギリの生活は、30年前に社会人になってからずっと続いているという(編集部撮影)
この連載では、女性、とくに単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、「月収10万円前後で賃貸の集合住宅に居住。家賃と光熱費で収入のほとんどがなくなります」とメールをくれた51歳の女性だ。

求人広告を眺めていると、月給で10万円台、時給で1000円前後の非正規雇用の仕事があふれている。長年続いている女性の貧困問題は非正規雇用の低賃金と雇用の不安定が根本的な原因であり、女性の非正規の割合は54.4%(2020年男女共同参画局調べ)、平均年収は198万円(令和3年分民間給与実態統計調査)と相変わらず横ばいの厳しい状態が続いている。

さらにインフレによって、生活必需品や光熱費が急上昇している。生きているだけでお金がかかる社会になってしまった。そのような中、単身で暮らす非正規雇用の女性たちは、いったいどのような生活をしているのだろうか。

月の手取りは10万円前後

編集部に非正規雇用、51歳単身女性から「月収10万円前後で都内に居住しています。家賃と光熱費で収入のほとんどがなくなってしまいます」というメールがきた。悲痛な声だった。女性の自宅の最寄り駅に向かった。

「今は在宅の事務仕事です。時給1080円の1日6時間勤務、週5日、今月の手取りは9万7000円でした。5万9000円の家賃と光熱費を払ったらお金はなくなります。もう1年間くらいそんなギリギリな感じで、わずかな貯金が、いずれ底つくみたいな状況です」

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