「自分は何も知らなかったんだと思った」
――初めて『東京貧困女子。』のドラマの台本を読んだとき、どんなことを思いましたか?
趣里さん:これは、向き合うのは大変そうだなと、正直思いました。わかったフリも知ったかぶりもダメですし、視聴者にしっかり届けるためにはどうしたらいいか悩みましたね。原作となった『東京貧困女子。』(中村淳彦)の本も読みましたが、貧困問題があることはわかっていましたが、自分は何も知らなかったんだと改めて思いました。
――趣里さんが演じた雁矢摩子さんは、出版社で経済誌の契約編集者として働くシングルマザーです。「女性の貧困」がテーマの連載を担当することになり、フリーランスの風俗ライターである﨑田祐二(三浦貴大)とともに活動します。その過程でさまざまな発見をしていくわけですが、彼女を演じてみていかがでしたか?
趣里さん:摩子と一緒に貧困問題を知っていくような感覚がありました。摩子は、頑固で真っ直ぐで頑張り屋でもあるキャラクターです。彼女は貧困問題の取材を重ねていくなかで、実は自分自身もシングルマザーで生活に余裕がなく、貧困と紙一重に置かれている立場であることに気付いていきます。
摩子を演じるうえで、自分が初めて台本を読んだときの衝撃や驚き、リアルな感覚を大事にしながら、摩子に反映させていこうと思いました。
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