「人ではなく、モノですから」貧困女子の切実な現実 趣里、「東京貧困女子。」主演で感じた本音

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東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか
原作となった書籍『東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

――貧困問題の取材対象者の一人に、広田優花さんという医学部の学生が登場します。広田さんは実家が貧しく教育への理解もないため、勉強をしながらパパ活のアルバイトもしています。摩子は広田さんの話を聞いてどんなことを感じたと思いますか?

趣里さん:「まさかこの子が?!」って。ただ、どんな人でもそうかと思いますが、その人が抱えている問題って傍からはわからないですよね。摩子は、広田さんの話を聞いて驚きもしつつ、ほっておけないような気持ちにもなったと思います。ただ、摩子が良かれと思って広田さんにしたことで彼女を傷つけてしまったりと、結局空回りしてしまうんですけど……。

――広田さんは、奨学金に頼りながら勉強に励み、さらにテニス部に入部したが、生活のためのアルバイトや勉強時間に追われ、部活の活動費としての月3万が足りずパパ活をする――という話がありましたが、その部分を記事として載せると大炎上しました。摩子はどんな感情だったと思いますか。

趣里さん:摩子も、パパ活をするくらいならテニス部を辞めればいいのでは?と、はじめは感じていたと思います。摩子自身、シングルマザーとして日々奮闘しながらプライベートは我慢を強いられているでしょうし、テニス部の話を載せることで、貧困のリアリティが薄まることも懸念していました。

ライターの﨑田さんにその部分をカットするよう申し出ましたが、﨑田さんはある理由でそれを拒否。でも難しいですよね……。事実を掲載することによって、読者から怒りを買う可能性もありますし、取材に応じてくれた広田さんへの影響を考えるとどうなのか、当然迷う部分だと思います。

趣里
(C)『東京貧困女子。』(WOWOW)
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