【パンプキンからのコメント】
藤木様、虐待されながら育った子供さんの多くは、「親は良い存在であってほしい」という願望が働き、「親は悪くない、自分が悪いから親から叱られるのは仕方がない」と納得しようとし、「親から捨てられたらどうしよう」という不安から、逆に親をかばい、親にしがみつく行為に出る傾向にあるのだそうです。ママといるときは普通なのに、パパが帰宅した途端、「私、バカバカ」と麻衣ちゃんが自分を責めるのは、典型的にこれらにあてはまる症状ですね。
仲の良い弟さんの胸ぐらをつかんで引きずったりするようになるなど、あのままの状態では事態はもっと、深刻になっていくことが予想されますので、とりあえず突然という形ですが、貴女と麻衣ちゃんを離して暮らすようにしたご夫君の判断は、正しかったと思います。親子の虐待問題は、虐待する方の親も何らかの被害者である場合が多く、エスカレートしやすいからです。
世話をしてくれる義父母に感謝しよう
麻衣ちゃんにとって、引き続きパパと生活できて、世話をしてもらえる祖父母がおられたことは幸いでした。今は親が同意しなくとも、被虐待児にとってよくない状態だと児童相談所の職員が判断すれば、緊急に親子を引き離し、子どもを施設へ保護することができるそうです。施設に行ったからこそ幸せに育つケースもたくさんあるのでしょうが、環境が激変して施設で大勢の中のひとりとして世話を受けるより、これまでの家で、父親や祖父母に見守られて生活を続けられる麻衣ちゃんの周囲の環境に、まず感謝しなければいけませんね。
貴女がまずせねばならないことは、何と言っても専門家に相談し、貴女自身が治療を受けることです。児童相談所や虐待防止センター、医師、民間団体、自助組織など、いろいろあるようです。カウンセラーと貴女との相性も大切です。カウンセラーと言っても名ばかりの人もいますので、信頼できると貴女が思えるカウンセラーを、情報を集めて何度もチャレンジする覚悟で決めてくださいね。親しい友人に悩みを打ち明け、親身に聞いて貰えるようになった過程で心が癒され、立ち直ったと言う人もおられます。
貴女が虐待に走るそもそもの原因が、ご夫婦の不和にあったそうですから、貴女が立ち直るには、ご夫君の協力も欠かせませんね。不和をどのような形で決着するかが、貴女の治療と同時進行でなければいけないのか、ある程度貴女が立ち直ってからの方がいいのかも、プロのカウンセラーが、ご夫君とも連絡を取りながら判断されると思います。
麻衣ちゃんたちのために貴女が今できることは、しばらくはそっと、しておいてあげることではないでしょうか。これも専門家の助言に従うべきだと思いますが、徐々に手紙を出したりして親がちゃんと謝り、本当はとても大切に思っていることを伝えることで子供から恐怖心を取り除き、貴女が立ち直ったのを子どもが理解して安心し、心を開いてくれるという過程が大切です。
次に時々面会するように“デート”するという形もあるようです。母親から虐待された子供の多くは、それでもやっぱり母親を求めていると、施設で働く人から聞いたことがあります。いくら麻衣ちゃんたちが今、楽しく暮らしているといっても、貴女が健康で、子どもを大切にすること以上のものではありません。
この過程を疎かにして同居を急ぎ、また虐待が繰り返されるという悲しいケースを、私たちは報道で何度も知りました。是非治療に専念なさってください。専門家に相談しながら仕事に打ち込んだり、趣味に没頭することで立ち直ったというケースも聞かれます。貴女の場合でしたら、夫婦不和の原因が解決したから立ち直った、または子どもへの熱い想いでこれではいけないと思って頑張ったなど、立ち直り方もさまざまです。
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