300年前の健康書が今さらながら心に刺さる理由 著者は平均寿命40歳の江戸時代に83歳の大往生

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超訳 養生訓 病気にならない体をつくる
『病気にならない体をつくる 超訳 養生訓』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

そして益軒の養生哲学は現代の健康思想を先取りするものであった。世界保健機関(WHO)は、1946年にWHO憲章で健康をこう定義している。

「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」

はっきりした病気がなければよいわけではなく、ただ長生きすればよいわけでもない。生活の質の向上や健康寿命の延伸に象徴される、質の高さを伴う健康こそが重要ということだ。

『養生訓』は健康書があふれる現代にこそ手に取りたい、本物の健康書だといえる。

現代人の心にも響く『養生訓』のメッセージ

本書に収録したメッセージの一部を紹介する。

怠惰なキリギリスより勤勉なアリであれ
養生は若くて体力があるうちから始めるとよい。若さにまかせて不摂生をしていた人が高齢になって初めて養生するのは、贅沢三昧していた金持ちが破産して、慌てて倹約に努めるのに似ている。高齢になってからでも養生するのに越したことはないが、効果は劣る(巻第二 総論下)。
一日単位で腹八分目にすればよい
昼になっても朝食が腹に残っていたら昼食を抜き、おやつも食べないのが正解だ。消化不良のときは3食にこだわることなく、次の食事を抜くことだ。半分残すとか、酒や肉をやめるのでもよいだろう。場合によっては2、3日抜いたって構わない。軽い胃もたれなら、薬を飲まなくてもこれだけで治る。一日単位、一週間単位で腹八分目にすればよいのだ。養生を知らない人は、「食べなければ元気になれない」と考えるから、かえって症状が悪化する(巻第三 飲食上)。

人生は手放すことも必要だ
高齢になったら、やることを減らしていくとよい。手を広げすぎてはならぬ。趣味も多いと疲れて、楽しめなくなってしまう(巻第八 養老)。
限りある生命力を大切にせよ
今日は生命力をどのくらい蓄え、どのくらいすり減らしただろうか。一日の終わりに、蓄えた量から失った量を引き算してみるとよい。生命力を養って、黒字が大きくなればなるほど長生きできる。逆に赤字の日が長年続くと病気になり、命を失う。生命力には限りがあるのに、限りない欲求に振り回されて浪費するのは論外だ(巻第二 総論下)。
奥田 昌子 内科医

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おくだ まさこ / Masako Okuda

愛知県出身。京都大学大学院医学研究科修了。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関で30万人以上の診察にあたる。現在は産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。著書に『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』『日本人の「遺伝子」からみた病気になりにくい体質のつくりかた』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)、『日本人の病気と食の歴史』(ベスト新書)、『なぜ、健康法は「効かない」のか?』(だいわ文庫)などがある。

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