パチンコ過去最大倒産「ガイア」に見えていた予兆 店舗を相次ぎ売却、Jトラストが支援に名乗り
ガイアの2023年5月末時点の純資産は16億円、自己資本比率は1.9%と、債務超過が目前に迫っていた。ガイアは民事再生の申し立てを行った同日、東証スタンダードに上場する金融会社、Jトラストと、グループ各社の再建支援に向けて基本合意を結んだ。
多様化するレジャー産業の中で、市場が縮小し始めて久しいパチンコ業界。2018年には出玉の上限数に関する規制強化も行われるなど、逆風は一段と強まっている。日本生産性本部の『レジャー白書2023』によると、全国パチンコホールの2022年の売上高は14.6兆円で、35兆円に迫ったピーク時の2005年と比べると、実に60%近い減少だ。
ここ最近は出玉数の規制が緩和され、メダルレス化による不正防止や、ホール側のコスト削減も実現する新型遊技機「スマートパチスロ」も登場したが、周辺機器を含む更新投資が重くのしかかっていた。そうした厳しい経営環境の下、中小・零細ホールが淘汰され、資金力で勝る大手の寡占化が進むとみられていた。
実際、東京商工リサーチによれば、2022年におけるパチンコホールの倒産は39件と、過去10年で最多を記録した。2023年も、9月までに倒産が25件発生している。
一方で、業界2強のマルハンとダイナムは2023年3月末時点で自己資本比率40%近くを維持。業界3位級のアンダーツリーグループも2022年9月末時点で同26.5%と、一定の財務水準を維持している。
相次ぐ経営権譲渡で100店を割り込む
ところが大手ホールの中で、例外的に注視されてきたのがガイアだった。
2010年ごろには全国で約190店を展開していたが、近年は全国チェーンのマルハンや、地方の中堅チェーンに相次ぎ店舗の経営権を譲渡。2023年に入ると、店舗数は100を割り込んだ。ここ数年は、コロナ禍など外部環境の悪化に加えて、同社が力を入れていた不動産取引での損失が響いた可能性を指摘する声もある。
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